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展覧会の梯子
2008年10月 うえむらクリニック 植村 富美子
過日、家族で展覧会の梯子をしました。秋なので芸術にふれてみたくなったのかもしれません。それに静かなところは落ち着くかもしれないという期待もあって出かけました。
テーマはフランスと光と影。京都でフランス100年祭というのを開催しています。エッフェル塔の足もとの模型があり芸術の街の様子をセピア色の写真とともに、ルノワールやセザンヌ、ロダンなどの有名な作品が展示されてありました。ルーブルが来たときは博物館を何重にも取り巻くほどの多くの人出だったのですが、さほどでもなく落ち着いて鑑賞することができました。
1時間ほど見てまわった後、今度は三宮まで足をのばして光と影のコロー展にでかけました。たぶん日本ではマイナーな作品だと思っていましたが知る人は多くびっくりしました。一番有名な真珠の女は好きな作品で、なんとなく京都の舞妓さんとか平安時代の女性の化粧を落とした素顔を想像してしまいます。モナリザを研究して描かれた作品らしく雰囲気は似ていますが、コローのモナリザのほうがずっと好きです。髪飾りの葉っぱが真珠に見えたから真珠の女というタイトルになったというところがまた庶民的でもあり、気取った自画像のコローが少し滑稽に見えたりもしました。本当はわざとじゃなかったのかしら?
光と影の作品といわれる数々の風景画は、太陽が描かれていないのに太陽の位置が想像できるほど写実的で、またどことなく小さい頃に駆け巡った野原の秋の風景に似ているのです。でも作品にぐっと近寄って細かいところを見ると木の葉っぱはまるでカビみたい、冷蔵庫に忘れた食品のカビみたいなのです。離れて鑑賞すると素晴らしい慕情的な田舎の風景画で近寄るとカビの集合。こんなにもすぐれた作品を見てまわった結果そう感じたのです。
隣のバラは赤いとか、隣の芝生は青いとか、離れてみるといいように見える人間社会とおなじみたいと思うのは不謹慎かもしれません。代表作品のモルトフォンテーヌの想い出の絵葉書を買いました。日本では決してそうではないらしいのですが、フランスでは家に飾りたい絵の人気NO,1だそうです。
s 会場を後にした私たちはぶらぶらと駅に向かいお揃いのキーフォルダーにも作品が描かれてあり、疲れたけれどほっとする休日でした。
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